勤務時短必要は10病院 県内医師の実態調査、上限規制対応へ点検促す


県は28日、国が2024年度から勤務医に適用する残業時間の上限規制を見据え、県内全67病院を対象とした勤務実態調査の結果を公表した。医師の労働時間短縮計画(時短計画)の策定に向けた取り組みが必要とみられる病院は、10カ所に上るとの見通しを示した。労務管理などの課題がある病院には県が個別の点検を促し、勤務時間の上限規制に対応できるようサポートする。県は同日、山形市の県自治会館で開かれた県地域医療対策協議会(会長・吉村美栄子知事)で説明した。9月に記入式で実施し、全病院が回答。時間外労働実績、労使協定(三六協定)の締結状況、医師の働き方改革の推進に向けた取り組みなどを尋ねた。県によると、19年度の時間外労働時間が年960時間を超えた医師がいる病院は9カ所あり、常勤医(管理・監督者を除く)が30人に上った。最多の年1261~1360時間だった医師も2人いた。診療科別では整形外科が最多の7人で、消化器内科が6人、内科4人と続いた。国は24年度以降、勤務医一般の上限について「休日労働を含み月100時間未満、年960時間」とする方針。県は年960時間超の勤務実態、災害など特別な事由での時間外労働、救急車の受け入れ数などを踏まえ、時短計画の策定が必要とされる病院が10カ所に上るとの見通しを示した。県立中央、山形市立済生館、北村山公立、県立河北、県立新庄、米沢市立、三友堂、公立置賜総合、鶴岡市立荘内、日本海総合の各病院が該当した。労働時間を急激に減らすと、地域医療提供に支障が出る恐れがあるとし、国は特定の医療機関は35年度までの特例で長い上限を暫定的に認める考え。その場合は「年1860時間」としており、県はこの水準の適用を目指す病院は、時短計画の策定を21年度までに行わなければならないと説明した。会議では、出席した病院長から「医師の働き方改革を進めるため、チーム医療の推進を図っている。病院間の機能分担、外来の診療機能の縮小などについて検討が必要になる」などの意見が出た。次回は来年2月に開く予定。>>山形新聞トップ >>県内ニュース >> 政治・行政

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