9歳児の7割超がアレルギー体質…国立成育研調査、欧州は5割


国内の9歳児の7割超がアレルギー体質だとする調査結果を、国立成育医療研究センター(東京)の研究チームがまとめた。スギやダニの抗体はそれぞれ半数以上が保有していた。研究チームは、2003~05年に同センターで健診を受けた妊婦が出産した子ども1550人を追跡調査した。血液検査でアレルギー物質に反応したことを示すIgE抗体の有無を調べた結果、9歳時点(729人)で75%に何らかの物質に対する抗体が見つかった。スギの抗体は58%、ダニは54%で確認された。5歳時点(984人)の抗体保有率は58%で、9歳時点では1・3倍に増えていた。抗体を持つアレルギー体質の子どもは、鼻炎などのアレルギー症状が出る可能性がある。今回、症状の有無も調べたところ、9歳時点で鼻炎があった子どもは31%で、5歳時点より3倍に増えていた。欧州では、子どものIgE抗体の保有率は50%程度にとどまるという。同センターの山本貴和子・総合アレルギー科医長は「日本の子どもの抗体保有率が高い理由や、地域差が出るかどうかについて、引き続き研究していきたい」と話している。

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