医療用ロボットを開発するメディカロイド(神戸市)は11日、国産メーカーで初めて手術支援ロボットの製造販売承認を厚生労働省から受けたと発表した。承認は7日付。腹腔(ふくくう)鏡手術向けで、月内をめどに国内で販売を始める。
ロボットの4本のアームに内視鏡カメラや手術用器具を取り付け、患者の腹部に開けた複数の穴から挿入し、手術を行う。執刀医は手術台から離れた別の装置を使って、内視鏡が映す3D映像を見ながら遠隔で操作。アーム部分をコンパクトにし、人の腕の動きに近づけたという。
まず前立腺がんなど泌尿器科を対象に販売を始め、今後消化器や婦人科などへの適用拡大を目指す。2~3年後をめどに欧米市場に投入する考えだ。
腹腔鏡など内視鏡を使った手術向け支援ロボットをめぐっては、米国製の「ダヴィンチ」が国内市場を独占している。ただ、価格や維持費が高く、医療機関にとって障壁となっていた。記者会見したメディカロイドの浅野薫社長は「求めやすい、病院経営に資する形の価格で提案したい」と述べた。 (C)時事通信社