「次亜塩素酸水」健康に不安


新型コロナウイルスの消毒を目的とした「次亜塩素酸水」の噴霧に、盛岡市の50代会社員女性から「病気の後遺症で呼吸困難を起こしやすく、吸い込んだら不安だ」との声が特命取材班に寄せられた。経済産業省は同ウイルスに対する効果が不明とし、市庁舎で噴霧していた盛岡市などで使用見合わせの動きが相次ぐ。品薄が続く消毒用アルコールの代替品とされた経緯はあるが、同省や医師は健康被害が起こる可能性も指摘し、効果の見極めを促す。「除菌の代替品として効果があると惑わされたのでは。コロナ禍の中だが、病気のある人への配慮が欠けている」。甲状腺がんの後遺症で気管に障害がある女性は、同市役所での噴霧を知り語気を強める。次亜塩素酸水は塩酸と食塩水を電気分解して作る。盛岡市内の業者から生成装置と噴霧器を貸与された市は5月18日から本庁舎1階で噴霧器2台を稼働。しかし市民の不安の声を受けて同28日に休止し、今月3日には撤去した。市地域福祉課の工藤浩統課長は「さまざまな見方がある。安全性を考え休止した」と説明する。滝沢市も市内の企業から次亜塩素酸水の提供を受け、噴霧器を借りる予定だが、人がいる空間では噴霧しない方針だ。

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