フレイル防ぐ健康法伝授 コミカルな掛け合いで人気、リハビリ専門職コンビ


新型コロナウイルスの収束が見えない中、兵庫県内の高齢者から人気を集めるリハビリ専門職のコンビがいる。外出自粛によって身体機能や認知機能が低下するフレイル(虚弱)に陥るのを防ごうと、神戸市が昨年6月からサンテレビで放送する番組「KOBE 元気!いきいき!!体操」の進行役「かずおさん」と「かわいし君」。健康に役立つ「ミニ講座」で繰り広げるコミカルな掛け合いが支持され、ファンレターも寄せられている。(長谷部崇)かずおさんは作業療法士の塗田(ぬりた)一雄さん(37)、かわいし君は理学療法士の河石優さん(36)。2人とも神戸リハビリテーション病院(同市北区)の職員で、神戸市の委託を受けて地域のケアマネジャーを支援するため、昨年4月から市介護保険課で勤務する。番組は、コロナ禍で外出の機会が減った高齢者に運動や体操を習慣付けてもらおうと、同課が企画。同じくコロナの影響で介護サービス利用者宅を訪問できなくなっていた2人に出演を依頼した。2人は5~8分程度のミニ講座を担当。保健師らと内容を相談し、これまでに肩こりや栄養バランス、熱中症対策など数パターンを収録した。当初は台本を作って読むだけで済ませるつもりだったが、丸山佳子介護予防担当課長に「もちろんギャグの一つや二つは入っていますよね?」と一蹴され、一から練り直した。ある日の社会的孤立が高齢者の死亡リスクを高めることを伝える場面。「人とのつながりは、禁酒や禁煙より長生きに効果があると言われてんねん」と力説する塗田さん。「ということは、なんぼでも酒飲んでええってことですね」と色めき立つ河石さんを、塗田さんが「そういうことじゃない」とたしなめた。高齢者の栄養を扱う回では、外出が減り、活動不足で体重が減った人が増えている状況を紹介。河石さんが「食欲が落ちたり、体重が減ったりしてませんか」と聞くと、「いや全然。逆に増えてるよ」と塗田さんが胸を張った。「フレイル予防は楽しく続けるのが大事。普段から互いにいじり合っていたので、『あんな感じで』とリクエストしました」と丸山担当課長。ひょうひょうとボケ続ける2人の掛け合いを楽しみにする高齢者も多く、駅やバス停で「あの体操の人やね」と声を掛けられることも。放送は当初3カ月の予定だったが、反響が大きく、時間帯を変更しながら続いてきた。今年4月からはスポンサーも付いて、平日の放送が復活。2人は「コロナ禍だが、番組を見て元気に過ごしてほしい」と呼び掛けている。番組は30分。歌に合わせた音楽体操や口腔(こうくう)体操のコーナーもある。平日は午前8時から、土曜日は同10時から。平日はマルチチャンネル(チャンネル選択の上下ボタンの上を押すと選べる第2チャンネル)で。サンテレビのユーチューブチャンネルでも楽しめる。

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