コロナ患者受け入れで診療報酬支払い 逼迫解消へ特例検討


新型コロナウイルスの医療体制が逼迫(ひっぱく)する中、政府がコロナに感染した入院患者を受け入れる医療機関を対象に感染拡大前の水準と同等の診療報酬を支払う特例措置を導入する方向で検討に入ったことが20日、分かった。患者の受け入れを促進するとともに、一般の外来患者や手術件数の減少で収益が悪化している医療機関を財政支援する狙いがあり、政府は状況のさらなる悪化に備え導入を急ぐ。新たな措置は、コロナ患者の受け入れや医療従事者の待遇改善など一定の条件を満たした医療機関を対象に、前年同月か、コロナ感染拡大前の前々年同月比のいずれか多い方の診療報酬総額を基準に減収分を補う形で支払う方向で調整している。災害時に診療報酬が算定できなくても、厚生労働省への事務連絡のみで過去の実績に基づき診療報酬を支払う「概算払い」の仕組みを参考にする。政府はコロナ患者を受け入れる病院に病床確保料や1床あたり最大1950万円の補助金を支払っている。看護師確保や感染対策の実費に充てられる一方、一般患者の受診控えやコロナ患者の受け入れに伴う風評被害などによる減収の補充には原則使えず、使い勝手の悪さが指摘されている。補助金の申請期限は延長を重ね、現在は5月11日まで。医療体制のさらなる逼迫が懸念される中、補助金から診療報酬による支払いに切り替え、医療従事者の派遣などに対する交付金措置と組み合わせて病床を拡大したい考えだ。

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