ワクチン、国内輸送にめど=接種状況などデータ管理課題


政府が米製薬大手ファイザー製新型コロナウイルスワクチンについて、国内の輸送業者を内定した。来週からスタートする医療従事者への接種に向け、超低温で全国に配送する国内輸送体制の整備に一定のめどをつけた格好だ。しかし、実際に広く接種を進めていくためには、個別の接種状況に関する膨大なデータ管理など、乗り越えるべき課題も多い。
 ファイザー製ワクチンは、零下70度程度での保管や輸送時の衝撃緩和などが必要。政府は日独3社が持つ運輸大手の物流管理ノウハウや米欧の先行事例を活用し、円滑なワクチン供給に努めたい考えだ。既に先行接種の会場となる全国約100の病院にワクチン一時保管用の冷凍庫を搬入しており、週明けから輸送を開始する。
 ただ、4月以降には65歳以上の高齢者約3600万人に接種を始める予定で、遅滞なく供給するには膨大な量となるワクチンの在庫管理が不可欠。また、ワクチンは同種類のものを一定期間を置いて2回打つことが前提とされており、個人の接種状況などの把握も必要になる。
 これらのデータ管理を進めるため、政府は全国民に割り当てられたマイナンバーを活用した新システムの構築を進めている。しかし、自治体側には新システムに対応できるか懸念も強く、在庫や接種状況を政府と自治体で共有できなければ「運んだワクチンが無駄になる恐れもある」(政府関係者)。昨年の給付金支払時に見られた遅延や混乱を避けるため、両者の連携が重要になっている。 (C)時事通信社

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