新型コロナウイルスに感染した疑いがある病人やけが人を想定した救命訓練が26日、白山野々市広域消防本部であった。救急救命士24人が参加し、対応や手順を確認した。参加者には事前に内容を伝えず、肺炎や糖尿病などの患者が心肺停止したとのシナリオで訓練は進んだ。鶴来消防署の救急隊は、30歳男性が低体温で倒れたとの通報を受け、高性能の医療用マスクやゴーグル、防護服をつけて「出動」。患者の家族役に「糖尿病にかかっていますか」「最近発熱がありましたか」などと質問。新型コロナへの感染の疑いを把握すると、胸の動きで呼吸を確かめたり、心臓マッサージの際の飛沫(ひまつ)を避けるため患者にマスクをつけたりした。同隊の山下良太分隊長(28)は「コロナ対策をしながら、いつも通りの処置をすることの難しさを感じた。隊員と話し合って改善したい」と振り返った。同本部管内では、昨年4月から今月25日に、新型コロナへの感染が疑われるケースでの出動が80件あり、うち6件はその後、陽性が確認されたという。(平川仁)