静岡大と浜松医科大の法人統合・大学再編に伴う地域の未来像を議論するため、浜松市と両大学、議会、経済、医療関係の代表らで組織する「浜松地区大学再編・地域未来創造会議」は28日、市役所で初会合を開いた。出席者からは昨年3月に両大学が合意締結した統合・再編の方向性の維持と、浜松地区の大学の強みを生かした産業振興などに期待する意見が相次いだ。
座長の鈴木康友市長は、統合と再編の実現に向け「オール浜松」で支援していく考えを強調し、「ぜひ未来に向けて発展的、創造的な話し合いの場にしていきたい」と期待を述べた。再編後の静岡地区の静岡大については「個人的な見解」とした上で、仮に県立大との統合が進めばサプリメント開発や創薬などで研究成果が期待できるとの見方を示し、「静岡で構想を描いていただければ、それぞれ個性と特徴を持った新しい大学ができる」と提起した。
静岡大の石井潔学長は、次期学長に選出された日詰一幸人文社会科学部長が「学長として、これまで機関決定した合意等は誠実に守るのが自分の立場とおっしゃっている」とし、「心配いただく必要はないと考えている」と述べた。
浜松医科大の今野弘之学長は医療分野でのロボット化の進展や情報通信技術の導入など、両大学が一体となった研究で期待される成果を挙げ「千載一遇のチャンスを逃すことは大きな損失」と統合・再編の実現を訴えた。
浜松商工会議所の大須賀正孝会頭、浜松地域イノベーション推進機構の伊東幸宏フォトンバレーセンター長らも大学の基盤強化に期待を示した。
次回の会合は来年1、2月ごろの予定。産官学の連携や地域の関係者の理解について議論する。