山梨県、「山梨版CDC」設立 21年4月に前倒し


山梨県の長崎幸太郎知事は13日、米疾病対策センター(CDC)のように感染症対策の司令塔の役割を担う「山梨版CDC(仮称)」を2021年4月に設立すると表明した。これまでは21年度中の設立を目指す考えを示していた。過去の県の感染症対策が時間の経過とともに重要さの認識が薄れていた点を教訓に、長崎知事は「新型コロナウイルス対策での経験や知見を将来につなげるため、できるだけ早く立ち上げる必要があると判断した」と述べた。山梨版CDCは、平時は感染症対策や訓練・備蓄計画の立案などを担う。長崎知事は「緊急時は全庁に命令を出す司令塔となるため、組織としても人事の上でも格の高い組織にする」とした。東京都の東京版CDC「東京iCDC」とも連携したいという。一方、県は9月末までに新型コロナの感染が確認された190人について疫学的分析の結果を公表した。無症状が19.6%を占める一方、酸素投与が必要で肺炎の所見がある「中等症」が29.1%、集中治療室(ICU)での治療を要するなどの「重症」が3.2%だった。中等症、重症とも60歳以上が最も多く、60歳以上は53.7%が中等症、5.6%が重症だった。1カ所で感染が2人以上に拡大した事例を分析したところ、家庭内での感染が35.1%、職場が28.7%と多く、飲食店利用による感染は3.2%にとどまった。飲食店の事例は適切な感染防止対策が講じられていなかった店舗だった。県内の飲食店での感染拡大が少なかった理由について、感染症対策を担当する藤井充知事政策補佐官は「報道などを踏まえて利用者自身が気をつけたほか、(感染対策を徹底したと県が認証する)グリーン・ゾーン認証を取得するよう飲食店に促した効果もあったのではないか」と述べた。

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