山形大の重粒子センター完成 1日から院外患者受け付け


山形大の重粒子線がん治療は国内で7例目となる。センター長の根本建二同大理事・副学長は「山形の医療の求心力が高まる」と、この日の学長定例会見で強調し、「県内外の病院、医師に治療の有効性を説明し、患者に選ばれるよう努める」と述べた。院外からの紹介患者の受け入れ態勢が整い、11月には診療を始める方針を明らかにした。

 現在、事前治療は院内の患者12人を対象に行われ、専門外来での受診に加え、男性ホルモンを抑制する治療薬の投与を続けている。患者は半年ほどかけてホルモン療法を受け、装置が稼働する来年2月下旬から順次、照射治療に移る計画だ。前立腺がんの場合は、数分程度の照射が計12回で済み、週4回のペースで3週間にわたって行われる。

 一方、報道向け説明会は岩井岳夫副センター長らが対応し、重粒子・炭素イオンに速度を加える大型装置のビーム加速器(直径約20メートル)などが紹介された。

 前立腺がんなどを対象とする固定角度からの照射治療が来年2月に始まり、肺や肝臓などの腫瘍に対して、あらゆる角度から照射できる回転ガントリーの稼働は来年8月の開始を見込む。岩井副センター長は「ガントリーの重量は200トン。1分間で半周ほど回転し、患者は負担なく照射を受けられる」と話した。

 センターによると、装置安定後の受け入れ患者数は年間600人程度を目指している。

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