佐賀の肝がん対策のあゆみ一冊に


佐賀県の肝炎・肝がん対策の歩みをまとめた「い肝(かん)ばい肝(かん)! 肝がん死亡率ワーストワンの佐賀県で何が起きたのか?」が刊行された。県内はC型肝炎の罹患(りかん)率が高く、それを背景に肝がん患者が多いという事情を解説しながら、官学民が連携した検査、治療を促す取り組みと成果などを紹介している。佐賀県は、人口10万人当たりの肝がん死亡率が1999年から19年連続で全国ワーストだったが、2018年に31・4と全国ワースト2位となり、19年は速報値で26・0と5・4ポイント改善。1980年以降で死亡率が最も低くなっている。2012年に佐賀大医学部附属病院に肝疾患センターが設置され、ここを拠点に官学連携の取り組みが加速。ウイルス検査を勧奨して感染の有無を調べ、陽性の場合は医療機関での精密検査で診断を受け、治療やウイルス除去につなげるというサイクルを関係機関が連携して取り組む「佐賀方式」を確立させた。本では、県や佐賀大、医療機関などの関係者の回顧を交えながら、各現場での肝炎・肝がん対策の取り組みの様子をまとめている。がんの予防啓発に取り組むNPO法人「クレブスサポート」が刊行、A5判304ページ。本体価格1500円。県内の書店などで購入できる。問い合わせはクレブスサポート、電話0952(23)8231。

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