危機に備え 命を守れ


◆中東遠総合医療センター 「エクモ」講習新型コロナウイルスの重篤患者に使う体外式膜型人工肺「ECMO(エクモ)」や人工呼吸器の講習会が二十六日、掛川市の中東遠総合医療センターであった。同センターはじめ、県内医療機関の医師や看護師、臨床工学技士ら二十三人が機器の扱い方を学んだ。エクモは、ポンプで血液を体外に取り出して人工肺で酸素を加え、再び体内に戻して循環させる装置。講習会は、国や医師らでつくる「日本COVID−19対策ECMOnet」などが、新型コロナ治療に対応できる人材育成を目指して全国各地で開いている。この日は、重篤患者に見立てた人形を使った実技で、エクモの操作方法やトラブル時の対応などを学んだ。エクモの操作は、医師や技士ら七、八人のスタッフが必要で、参加者たちは情報を共有しながら手順を確認していた。新型コロナ患者を受け入れる同センターは、エクモ二台を配備している。これまでに治療で使った事例はなく、同センター救急科の松島暁部長は「関係する全スタッフが扱い方を把握し、患者の受け入れに備えたい」と話していた。 (夏目貴史)◆聖隷浜松病院 「トリアージ」訓練災害拠点病院に指定されている聖隷浜松病院(浜松市中区)で二十六日、手当ての優先度を区別する「トリアージ」の訓練があった。医師や看護師ら約三百五十人が参加し、大規模災害時の救急医療の手順を確認した。震度6以上の南海トラフ地震が起きたと想定。災害対策本部が設置され、情報の統括や人員を適切に配置する職員統括などの複数のグループに分かれて指示を出した。病院の外にある広場にはブルーシートや簡易ベッドを用意したエリアを設営。患者役の約三十人が「足首が痛いです」などを叫びながら押し掛けた。トリアージは、診療に当たる医師と症状を記入する事務の二人一組で行われた。軽症、中等症、重症、死亡の四つに振り分け、素早く緑や黄色のタッグ(標識)を取り付けていった。講評で浜松医科大の高橋善明助教は「本部から情報が下りてくるのを待つだけでなく、現場から積極的に病院内の情報を知ろうとすることが大切」とアドバイスした。渥美生弘救命救急センター長は「病院内の情報を統制し、人や物をうまく分担できた。毎年よりよい形にし、レベルアップを図りたい」と話した。 (山手涼馬)関連キーワード

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