認知症の症状をVRで疑似体験 射水の介護支援員ら


射水市内の介護支援専門員などを対象にしたスキルアップ研修が、同市戸破のいみず市民交流プラザであり、参加者がバーチャルリアリティー(VR)動画で認知症の症状を疑似体験した。研修は市主催で、VR動画の体験は初めて。約百人の参加者はインターネットのリモート(遠隔通信)の指示に従い、VR専用ゴーグルとヘッドホンを装着=写真。認知症の中核症状(物忘れや幻視など)として三つの症状の動画を視聴した。距離感や平衡感覚を失う「視空間認識障害」では、車から降りる際に高層ビルから落ちるような恐怖感に襲われる症状を体感。場所や時間が分からなくなる「見当識障害」では電車の車内で今どこにいて、どの駅で降りるのか分からなくなる不安な状況が再現された。「レビー小体病」の幻視では実際にはいない人やない物が見えてしまう環境を仮想現実として体験した。VR動画は、首都圏などでサービス付き高齢者住宅「銀木犀(ぎんもくせい)」を運営する「シルバーウッド」(千葉県)が、認知症などを疑似体験する取り組みとして制作。全国の行政機関や自治体、企業、教育機関にゴーグルを貸し出し、六万六千人以上が体験している。社会福祉法人「射水万葉会」が運営する福祉プラザ七美居宅介護支援事業所ケアマネジャーの小島明香さんは「認知症の世界観が具体的に分かり、知識だけで症状を分かった気になっていたことに気付いた。認知症の施設利用者の話の聞き方や声の掛け方が変わると思います」と話した。(武田寛史)関連キーワード

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