<新型コロナ>感染者が宿泊療養拒否したら「入院勧告も」 知事が検討「家庭内は感染リスク高い」


大野元裕知事は26日の定例会見で、新型コロナウイルス感染者が特別な理由がないにもかかわらず宿泊療養を拒否した場合、感染症法に基づき、入院勧告を検討する方針を明らかにした。大野知事は、家庭内感染が増えていることから、勧告を検討する理由を「(感染者が)家庭内にとどまるほど感染拡大リスクが高まる」とし、軽症、無症状者も確実な宿泊療養が必要であることを強調した。県は軽症、無症状者は宿泊施設で療養することを原則としている。一方、国は軽症、無症状者は宿泊療養を基本としつつ、自立生活が可能な独居者や保健所長が自宅療養の対象者として認めた場合は、外出しないことを前提に自宅での療養を認める方針を示している。現在の新型インフルエンザ特措法では、都道府県知事に軽症者らをホテルなど宿泊療養施設に入所させる権限はない。大野知事は「現場で対応するための権限がますますなくなる。問題だ」と懸念を示し、感染症法で定められている医療機関への入院勧告の検討を進めていくことにした。さらに「病院の負担を軽減させる意図があるなら、知事にしっかりとした権限を与える法的措置を求めたい」とした。県は現在、新型コロナウイルス感染症の軽症、無症状者の宿泊療養施設として、5施設592の受け入れ室数を確保しており、そのうち4施設で実際に療養者を受け入れている。このほか、5施設633室についても受け入れの内諾を得ており、既に確保している施設と合わせ、10施設計1225室を確保している。25日時点の宿泊施設療養者は3施設に99人。県が発表したデータによると8月16日から22日までの県内陽性者の経路別感染源は「家庭内」が全体の約28%を占め、増加傾向にあり、家庭内感染を含めた感染防止のため、宿泊療養が必要としている。

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