県医師会 災害救護マニュアル作成 治療優先順位の決め方など詳しく


岡山県医師会は、南海トラフ巨大地震や豪雨などの災害に備えるための「災害医療救護マニュアル」を作った。傷病者に対する治療の優先順位を決める「トリアージ」の具体的な手順や、医師会が派遣する災害医療チーム「JMAT」の役割などを詳述している。 マニュアルでは、災害発生直後の急性期に行う1次トリアージについて、呼吸回数や循環(脈)、意識の有無で評価する「START法」をフローチャート(流れ図)とともに掲載。災害医療チームの受け入れを調整する「災害医療コーディネーター」の役割や支援内容も取り上げた。 災害発生直後に救命活動する災害派遣医療チーム「DMAT」と、避難所などでの長期的な活動が中心となるJMATの役割については「互いに連携補完することで被災地の医療支援の質が高まる」と指摘している。南海トラフ巨大地震が起きた場合の県内の被害想定、災害時の郡市医師会の対応なども盛り込んだ。 2018年の西日本豪雨など各地で頻発する自然災害を踏まえ、県内の9災害拠点病院で活動する救急医療分野の医師12人が執筆・監修した。A4判カラー、127ページ。4千部印刷し、会員や県内の一部自治体などに配った。県医師会のホームページからもダウンロードできる。 県医師会の松山正春会長は「医療従事者にとっての救急医療のバイブルとして座右に置き、いざというときに活用してほしい」と話している。

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