各特別区に保健所 大阪都構想、1→4カ所に


大阪市を4つの特別区に再編する「大阪都構想」が住民投票で可決された場合、新型コロナウイルスに最前線で対応する保健所や医療機関に影響はあるのか。制度移行で何が変わるのかまとめた。Q 大阪市が廃止されたら市の保健所はどうなるの?A 現在、大阪市内の保健所は阿倍野区の1カ所のみ。特別区が誕生すると、各区に1つずつ設置され、計4カ所となる。保健師などの職員数は4カ所合計で現在の1.4倍になる。設置場所はまだ決まっていない。Q 職員はどう配置するの?A 保健所は高齢者向けのサービスを多く担うため、各特別区の2015年時点の65歳以上の人口に応じて職員を割り振る。Q 健診や子どもの予防接種はどこで受けるの?A 現在、市内24区の各区役所に「保健福祉センター」が設置されていて、健診などは同センターで実施している。特別区に移行してもセンターは残り、今と同じように健診などを受けられる。Q 新型コロナウイルスなど感染症対策に影響しない?A 現在、大阪市民のコロナ感染者への対応などは市保健所が主体になっており、大阪府と情報を共有して感染者の入院調整などをしている。特別区に移行した場合は、4区それぞれの保健所が市保健所と同様の役割を果たす。Q 子どもの医療費助成は維持される?A 大阪市には、18歳以下の医療費の自己負担額が月最大2500円で済む助成制度がある。この制度は4つの特別区に移行しても全区で維持される。15年の住民投票のときは制度案に明記されていなかったが、今回は盛り込まれた。Q 将来、東京23区のように区によって助成内容が変わる可能性があるのでは?A 25年1月に特別区に移行する際は全区が同じ制度でスタートする。その後は各区長や区議会の判断で助成を手厚くしたり削減したりできる。Q 市民病院はどうなるの?A コロナ専門病院として機能する十三市民病院など4つの市民病院・診療所は独立行政法人の「大阪市民病院機構」が運営している。現在は市が同機構を指導するが、特別区に移行後は府の指揮下に置かれる。府・市は将来的に同機構と「大阪府立病院機構」の統合を目指しており、府の担当者は「府全体で医師や看護師といった医療人材を柔軟に配置できるようになる」と説明する。(大畑圭次郎)

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