新型コロナ、熊本県内の病床稼働率4割迫る 1週間で10ポイント上昇


新型コロナウイルス感染者のうち、熊本県内の医療機関には7日現在、150人が入院している。1週間前から39人増加。最大400床の病床稼働率も37・5%と10ポイント近く上昇した。ただ、大半は軽症者や無症状者。医療逼迫[ひっぱく]を防げるかどうかは、一定の条件を満たす軽症者らを対象にした「宿泊療養」の活用にかかっている。県によると、150人は重症1人(0・7%)、中等症27人(18・0%)、軽症97人(64・7%)、無症状24人(16・0%)、確認中1人。1週間前より重症や中等症が増えたものの、軽症者と無症状者は依然として8割を占めている。国の基準は、軽症者と無症状者のうち若年層や基礎疾患のない人は医療機関ではなく、ホテルなどの施設で宿泊療養できると定めている。宿泊療養の各施設には、運営スタッフとして県職員ら10人ほどが常駐。療養者とスタッフは活動エリアを分け、療養者の体調は看護師が電話で確認する。療養者は原則、自室で過ごし、食事は弁当を提供。食事やごみの回収のため、療養者エリアに入るスタッフは防護服を着用する。県は16施設と協定を結んで1430室を確保。5日に熊本市の1施設(約60室)で受け入れ態勢を整えたが、7日午前10時現在、利用者はいない。県全体で見れば、病床にまだ余裕があるためだ。ただ、介護老人保健施設でクラスター(感染者集団)が発生した山鹿市の病床稼働率は90%。長洲町の造船会社の事業所では無症状者を中心に、入院せず会社の宿舎を利用している療養者が50人近くいるという。新たなクラスターの発生や秋冬の大流行も見据え、県医療政策課は「医療従事者の負担を軽減するためにも、宿泊療養を積極的に使いたい」としている。(太路秀紀)

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