【音声付き】視覚障害ロービジョンの不安 当事者に聞く


眼鏡で矯正しても十分な視力が得られず、生活に不便が生じる「ロービジョン」。全盲ではなく、見た目からは視覚障害があると伝わりにくいため、周囲の理解を得られず苦しむ人もいる。ロービジョンの人は、どのような見え方をしているのか。どんなことに不安を感じるのか。秋田県内の当事者2人に聞いた。

夕方、自宅近くの横断歩道で信号待ちをしていると、目の前にいた数人の若者が駆け足で渡り始めた。秋田市金足の女性(57)はその動きに合わせ、横断歩道に足を踏み入れた。

女性は目の網膜に障害があって視野が狭く、正面の限られた範囲しか見えない。目に入る光の量を調節できないため、薄闇でも夜中のように暗く感じたり、逆に陽光がまぶしくて何も見えなくなったりすることもある。その影響で色を見分けることも難しい。

女性にとっては、近くの人の行動が状況を知る手掛かりになる。この日も周囲の動きに合わせて横断を始めたのだが、途中で「何かおかしい」と感じた。

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