病院収益が大幅な減少 滋賀県内17病院「入院、外来とも例を見ない減、経営破綻招く恐れ」


新型コロナウイルス感染症が流行した3~5月、感染症指定医療機関を含む滋賀県内17病院の医療収益が前年同期比で計37億7千万円減少したことが、県病院協会の集計で分かった。同協会は「経営破綻を招く恐れがある」として、地域医療維持の観点から県に支援を求めている。県内の全57病院でつくる同協会が役員の病院に尋ね、回答した17病院の医療収益と医療収支をまとめた。このうち感染症指定医療機関は7、指定機関ではないが臨時にコロナ病床を用意した病院は4。
 3~5月の17病院の医療収益の合計は、前年同月比で3月が1億8千万円減(1・4%減)、4月が12億3千万円減(9・4%減)、5月が23億5千万円減(17・8%減)と、月を追って悪化。「入院、外来ともに例を見ない減少」(同協会)で、3カ月間で1病院当たり2億2千万円の減収となった。
 理由として、コロナ感染を恐れての外出・受診控えや、救急患者の減少、予定していた手術の延期などが考えられるという。
 医療収支では、赤字幅が拡大した。3~5月の17病院の赤字合計は計55億5千万円に達し、前年同期(計22億9千万円)の2・4倍になった。
 同協会は、病院への支援を求める要望書を県に提出。県議会6月定例会議一般質問でもこうした窮状が取り上げられた。三日月大造知事は「全国的な課題」との認識を示した上で、「地域医療を担う医療機関に対するさらなる支援について早急に検討いただくよう国に要望していかねばならないと思っている」と答えた。

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