新型コロナ陽性者、京都府で相次ぎ「注意喚起基準」に 知事は第2波の兆候否定


京都府の西脇隆俊知事は29日、臨時記者会見を開き、新型コロナウイルスの新たな陽性者が府内で相次ぎ、感染拡大への警戒を呼び掛ける「注意喚起基準」に達したと発表した。西脇知事は府民に感染予防を呼び掛けるとともに、「(感染源を特定する)積極的疫学調査を進めて早く今回の波を抑えたい」と述べた。29日までの5日間で、京都市で14人の感染が確認された。うち7人の感染経路が不明という。西脇知事は「クラスター(感染者集団)は発生しておらず、濃厚接触者の範囲を的確に捉えるなど全体としてコントロールできている」とし、第2波の兆候ではないとの見方を示した。
 府が独自に設けた注意喚起基準は「新規陽性者2人以上」「新規陽性者の前週増加比1以上」「新規陽性者のうち感染経路不明者1人以上」(いずれも7日間の平均値)の全指標を満たすと適用される。新規陽性者は2人、前週増加比は2・8、経路不明者は1人と全て達した。直ちに外出自粛や休業などは要請せず、府民に人との接触を減らす「新しい生活様式」の実践や「3密」の回避、小まめな手洗い・せきエチケットの徹底を求める。
 19日には府県をまたぐ移動自粛が全面解除され、観光振興も段階的に緩和される。西脇知事は「第2波に備えながら社会経済活動を取り戻している。一定の感染者は想定内」とする。事業者へ感染予防のガイドライン順守を改めて訴えるとし、進めている観光振興策を変更する予定はないと強調した。
 京都市で感染者が相次ぐ状況について、門川大作市長は同日の記者会見で、「人の動きが活発化し、感染リスクを潜在的に高めている」と危機感を示した。

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