オンライン診療 電話での受診も可能 「高齢者は活用を」


新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、医療機関の「オンライン診療」が特例的に認められる中、高齢者への浸透が課題となっている。「オンライン」という言葉から、パソコンやスマートフォンを連想し、抵抗感を抱く高齢者がいるためだ。実際には電話での診察も行われおり、薬は薬局から自宅に配送してもらえるサービスもある。厚生労働省は「重症化のリスクが高い高齢者にも活用してもらいたい」と呼びかけている。厚労省は感染拡大防止の特例的対応として、オンライン診療の利用条件を緩和。初診からスマートフォンの画面などを通じて、遠隔の患者を診察することが可能となった。対面診療に比べると医師が得られる情報は限られ、誤診の恐れもある。感染が収束するまでの時限措置だが、オンライン診療が活用されることで、医療機関の待合室での感染や、医療従事者が感染する事態を防ぐことが期待されている。ただ、高齢者の中には情報通信機器を敬遠する人もいる。狭心症の持病がある都内の主婦(66)は「パソコンやスマホは苦手。感染は怖いけど、病院は近所だから行った方が早い」と、月に一度の通院を続けている。実際の医療現場では、高齢者も使い慣れた「電話」で受診することも可能だ。東京都中央区の内科「真山(さのやま)クリニック」では、3月下旬から電話での診察を始めた。症状によって対面での診察が必要な場合もあるが、1日10~15件、医師が電話で患者の状態を聞きとっている。処方箋の扱いも柔軟に対応。医師が患者の利用する近所の薬局に持参したり、遠方の患者なら、自宅に郵送したりするケースもある。「会計は次に来院した際に支払ってもらう」という。薬局も態勢を整えている。大手調剤薬局「日本調剤」では、医療機関から処方箋を受け取ると、電話などで患者に服薬指導を実施。薬を患者宅まで配送するサービスもある。

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