島津製作所が尿や血液でコロナ重症化を予測する分析法確立


島津製作所などは29日、新型コロナウイルスの患者の尿や血液に含まれる代謝物を測定し、患者が重症化するかどうかを予測する分析法を確立したと発表した。熊本大の研究成果をもとに、同社と分析機器ベンチャー、アイスティサイエンス(和歌山市)の装置でシステムを構築。6月の発売を予定する。患者が自宅療養中などに重症化するリスクを抑えることが期待される。分析法は新型コロナ患者の血液や尿に含まれる「修飾ヌクレオシド」という代謝物の特徴を指標として利用。検体をアイスティの前処理装置にかけて島津の分析装置で測定し、代謝物の多さで重症化のリスクを予測する。熊本大が患者約200人への研究で確立した分析法を実用化するため昨年11月、難病の共同研究をしていた島津に協力を打診。作業の自動化で手順を減らし、1検体で約1時間かかっていた検査を12分程度にまで短縮した。尿や血液は感染リスクが低く医療従事者の安全にもつながる。島津製の分析装置をすでに所有している大学病院や検査会社の場合は、前処理装置の追加や設定変更などでシステムを導入できる。

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