<独自>大学とコロナ検査連携…変異株情報も共有 厚労・文科省通知


厚生労働、文部科学両省が各国公立大学法人や各都道府県などに対し、地域で連携して、新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCRなどの検査体制を整備するよう求める通知を出したことが27日、分かった。大学には変異株に関する情報提供も求めた。政府が一部地域で緊急事態宣言の解除を決める中、専門家はリバウンド(再拡大)や感染力が高いとされる変異株を警戒しており、政府は検査体制の拡充を急いでいる。通知は19日付で、連携の事例をまとめ、各大学などにこれらを参考に協力を検討するよう要請した。大阪、京都両府の医療機関にPCR機器を貸し出した京都大▽東京都八王子市と連携し、スマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA(ココア)」で接触情報を受信した人への検査を行う東京薬科大▽熊本県などとクラスター(感染者集団)の追跡調査を実施している熊本大-などを具体的な事例に挙げた。政府は感染再拡大防止策として、緊急事態宣言を解除した地域で、感染拡大の予兆を早期に探知するため無症状者に焦点を当てたモニタリング検査を実施する方針。高齢者の施設での集中的な検査も今後本格化する見通しだ。大学や自治体に検査体制の整備を求める背景には、こうした検査ニーズの高まりがある。このほか、大学に対し、自治体から依頼があった場合、感染経路を調べる積極的疫学調査に協力し、変異株が確認された場合は、速やかに自治体と情報を共有するよう求めた。変異株については、26日に緊急事態宣言の解除について議論した専門家でつくる基本的対処方針等諮問委員会でも「国内で変異株が流行する兆しがある。再拡大が起こる場合は変異株が要因になってくるだろう」などの意見が出たという。両省は昨年6月も、大学などにPCR検査の実施やPCR機器の貸与などの協力を求める通知を出している。昨年前半は医師が必要と判断しても検査を受けられない「目詰まり」が問題となっており、その解消に向け検査体制を強化する必要に迫られていた。

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