母乳が出にくい母親の代わりに、寄付された母乳(ドナーミルク)を小さく生まれた赤ちゃんに無償提供する「母乳バンク」の全国2カ所目の施設が1日、東京・日本橋の育児用品メーカー「ピジョン」の本社内にオープンした。別の母親からのドナーミルクをクリーンブース内で殺菌処理するなどし、要望に応じて新生児集中治療室(NICU)などを持つ連携病院に届ける。年間約2千リットル、約600人分の提供が可能という。日本にはドナーミルクが必要な赤ちゃんが7千人ほどいるとされ、厚生労働省は全国的な整備に向け、今年度から調査研究を始めている。施設の運営団体「日本母乳バンク協会」によると、医療の発達によって1500グラム未満で生まれた赤ちゃんも助かるようになったが、臓器などが未発達でさまざまな病気のリスクがある。母乳は消化管を成熟させる「薬」の役割を果たすが、母親の体調不良などで母乳が出にくいケースもある。