不妊治療の延期、考慮を=新型コロナ感染を懸念―生殖医学会


日本生殖医学会は1日、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する危険性がなくなるか、妊娠中に使える予防薬や治療薬が開発されるまで、不妊治療の延期考慮を推奨する声明をホームページに掲載した。人工授精や体外受精、胚移植などの延期考慮を求めている。
 声明では、妊婦が感染した場合に重症になる可能性があるほか、感染患者に試験的に投与されている薬の中には妊婦に使えない薬があることを指摘。不妊治療のための受診や医療行為に関連して感染が起きる恐れについても、懸念を示した。
 妊娠希望者や妊婦の感染防止策については、日本産婦人科感染症学会がホームページに注意文を掲載し、最新の知見を踏まえて更新している。感染した妊婦から子にウイルスがうつる母子感染が起きるかははっきりしていないが、3月31日付の第8版注意文では、中国武漢市の病院で誕生した新生児の血清から子宮内感染で生じる免疫抗体(IgM)を検出したとの報告が記載された。
 この報告は武漢大チームが米医師会誌JAMA電子版に発表した。感染した母親から帝王切開で誕生した新生児2人がPCR検査では陰性だったものの、IgMが多かったため、子宮内感染の可能性を指摘した。ただ、同誌は証拠不十分とする専門家の見方も同時掲載している。 (C)時事通信社

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