コロナ重症化の可能性、尿で判定 姫路市が臨床研究参加


新型コロナウイルス患者の尿に含まれる特定のたんぱく質を調べて重症化の恐れを予測する臨床研究に、兵庫県姫路市が自治体として初めて協力する。18日、市や国立国際医療研究センター研究所(東京)の野入英世(のいりえいせい)博士らが発表した。野入博士らによると、血中の酸素飽和度が低くなると、尿内に「L―FABP」というたんぱく質が増える。同センターに入院した患者224人の尿を、入院から72時間以内に採取して調べたところ、このたんぱく質の量が正常値より多かった人は、正常値の範囲内に収まっていた人に比べて、悪化するリスクが約8倍も高かったという。新型コロナの症状は急に悪化することがあるため、入院待ちの在宅療養者の場合、重症化の確認が遅れると命にかかわる。その兆しをつかめれば、的確かつ遅滞なく入院し、必要な治療を受けさせられる。検出に使う専用のキットを同センターが姫路市に500人分送る。市は新たに在宅療養になる患者や施設療養になる患者らに尿を採取してもらい、たんぱく質の検出は市保健所職員らが担当する予定。得られたデータは同センターに送られ、センターが重症化リスクが高い患者を判定して市保健所に連絡する。清元秀泰市長は「(酸素飽和度を測る)パルスオキシメーターよりも早く確実に重症化リスクを予測する有用な方法。入院待機中に急変して死亡するリスクを低減させることを期待している」と話した。(滝川直広)

関連記事

ページ上部へ戻る