医療機関への支援金、支給済みは2割 都道府県で滞留


田村憲久厚生労働相は1日、新型コロナウイルス感染症の対策費として都道府県を通じて医療機関などに配る交付金約2兆7千億円のうち、実際に届いたお金が6千億円と2割程度にとどまっていることを明らかにした。都道府県の手続きや医療機関の申請が進んでいないためとみられる。交付金は2020年度第2次補正予算の予備費などで用意し、すでに2兆3千億円が都道府県に渡っている。厚労相は閣議後の記者会見で「どういう状況か再度確認したい」として速やかな交付を都道府県に求める考えを示した。厚労省によると8月時点で都道府県は遅くとも10月中には交付を開始するとしていた。ところが交付金のうち病院や診療所での消毒などの経費に充てる補助金は11月16日時点で福井県と長野県で交付がゼロだった。長野県によると、医療機関からの申請書のチェックなどの業務を外部業者に委託する手続きに時間を要した。年内には交付を開始する見通しだ。交付金は新型コロナ患者を入院治療する病院が受け入れに備えてベッドを空床のまま確保する場合の支援金や、コロナ患者を治療する設備費の補助など、医療体制を確保する目的で使う。規模の小さな診療所は事務員がおらず、申請手続きが後回しになっているとの指摘もある。

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