<独自>ワクチン接種 医学生も優先対象 実習先の医療機関が判断 厚労省


厚生労働省が新型コロナウイルスのワクチン接種に関し、優先対象となっている医療従事者の範囲を周知する通知を、各都道府県に出したことが20日、分かった。医学部生が実習で新型コロナ患者や、発熱など感染の疑いがある患者に頻繁に接する場合は、実習先の医療機関の判断で対象にすることができるとした。通知は16日付で、範囲の詳細を示した。優先的に接種を受ける医療従事者を幅広く認めることで、医療スタッフが感染し地域医療が機能しなくなるリスクを減らすことができ、医療体制の強化につながる。感染防止の観点から実習の受け入れを中止した医療機関もあり、医療人材を着実に育成するために、受け入れ再開に向けて、実習を行う医学部生を優先対象にする必要性もあったとみられる。このほか通知では、市町村などの自治体が予防接種の特設会場を設ける場合、会場を「医療機関」と位置付け、予防接種の業務に従事する人が新型コロナ患者や感染の疑いがある患者と頻繁に接すると自治体が判断した場合、優先対象にすることができるとした。ただし、接種を受ける人の送迎や会場の設営を行う人は、優先対象にならない。これまで厚労省は、医療従事者の具体例として、病院や薬局などの医師や薬剤師、職員、感染症患者を搬送する救急隊員、海上保安庁職員、自衛隊員などを挙げており、この範囲をさらに広げた格好だ。医療従事者を対象にした先行接種は17日に始まっている。全国100カ所の医療機関の計約4万人が受け、安全性を確認する。先行接種に続き、3月開始予定の医療従事者への接種は当初約370万人を見込んでいたが、約100万人増加する見通しだ。

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