岡山県 居住地以外でも接種可能に 厚労省「全国でも例がない」


新型コロナウイルスワクチンの住民接種について、岡山県内では居住地以外の自治体でも受けられる体制が整う見通しとなったことが1日、県や各市町村への取材で分かった。市町村をまたいで通勤、通学する人の利便性確保とともに、医療機関が少なく単独実施が難しい自治体をカバーするのが狙い。厚生労働省によると、全県的な連携の動きは全国でも例がないという。 予防接種法では、ワクチン接種は単一の市町村による実施が原則。ただ、厚労省は1月、円滑に進めるため近隣市町村が連携して接種体制を敷いた場合、住民が他の自治体で接種を受けられるようにすることも可能との考え方を表明している。 関係者によると、厚労省の方針を受け、岡山県が県市長会と県町村会を通じて全27市町村に連携を打診、おおむね了承を得たという。当面は医療機関で受ける個別接種での実施を想定しており、既に実務者レベルで接種記録や予約システムの共通化に向けた検討を始めている。 県幹部は取材に対し、「クリアしなければならない課題は多いが、実現すれば接種の効率は格段に上がる。(公共施設などで行う)集団接種でも連携が可能かどうか、市町村の意向を確認したい」と話した。 複数自治体による連携は、金沢市と周辺6市町が共同接種を検討するなど全国で動きが活発になりつつある。厚労省の担当者は「ワクチン接種を円滑に進めるには都道府県単位でまとまって動いた方が効率が良い。岡山県からの報告を受け次第、先進事例として紹介したい」としている。 岡山県内では現在、国による医療従事者への先行接種が国立病院機構岡山医療センターと岡山労災病院(いずれも岡山市)で行われている。今後、県が実施主体となるコロナ診療に関わる医療従事者らへの接種が3月上旬、市町村が行う高齢者への接種が4月中に始まる見込み。その後、一般住民へと順次行われる。

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