胆管がんの前段階、メカニズム解明 岐阜大「腫瘍の発生、抑制」動物で成功


岐阜大大学院医学研究科の富田弘之准教授らの研究グループが、胆管がんの前段階である胆管内乳頭状腫瘍の発生、維持、がん化のメカニズムの一端を発見した。肺や膵(すい)となる細胞の伸長、分岐に関係する特殊なたんぱく質「FGF10」に着目し、過剰に分泌を促すことで、動物モデルの実現に初めて成功。発生した腫瘍は、人体にできる同じ腫瘍と病理組織学的に同じと確認できた。FGF10の分泌の増減で、この腫瘍を抑制できることも分かり、臨床の治療へ応用できる可能性があるという。FGF10の分泌を促すよう投薬することで、マウスの胆管内の組織が活性化し、同腫瘍となった。この組織は、人間の同腫瘍と病理組織学的に同じとなることも確認した。マウスの腫瘍はその後、がん化した。人間の同腫瘍の症例を確認したところ、FGF10が分泌され、胆管内の組織が活性化、胆管内乳頭状腫瘍となったマウスの症例と同じように、組織が活性化する様子が見られたという。FGF10の分泌を抑制することで、腫瘍の拡大、縮小もコントロールできたという。富田教授は「今回の研究をきっかけに、病変の全体像の把握につなげていける」と研究の意義を強調した。この研究成果は先月24日、米国の科学誌「Cell Reports」のオンライン版で発表された。厚労省の2017年のデータによると、胆管がんの罹患(りかん)率は男性1・5%、女性1・4%だった。罹患率で最も高いのは、男性が前立腺の10・8%、女性が乳房の10・7%。胆管は比較的奥にあり、自覚症状が少ないため、早期発見、治療が難しいとされる。

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