認知症や目の病を防ごう 本社8大事業・長井で県民健康講座


山形新聞、山形放送の8大事業の一つで、身近な疾患やその予防策を学ぶ「県民健康講座」の2020年第1回講座が15日、長井市のTASビルで開かれた。山形大医学部の医師、県医師会所属の開業医が講師を務め、市民ら約100人が認知症を防ぐ生活習慣や、白内障や緑内障といった目の病気の治療法について理解を深めた。開講式で寒河江浩二山形新聞社長(山形新聞グループ経営会議議長)は「さまざまな疾患を取り上げ、県民が基礎知識や予防方法などを学ぶ機会を提供していく。健康のヒントにしてほしい」とあいさつ。上野義之医学部長、中目千之(なかのめちゆき)県医師会長が「講演を聴き日々の健康を守ってほしい」などと述べた。来賓の内谷重治長井市長は「人生100年時代を楽しむため健康寿命は欠かせない」と呼び掛けた。板垣正義山形放送社長、井上栄子県看護協会長も出席した。引き続き同学部内科学第三講座教授(神経学分野)の太田康之氏が「認知症とその予防」、鶴岡地区医師会長で福原医院(鶴岡市)院長の福原晶子氏が「自分で守る目の健康~中高年からの視力障害を起こさないために」と題し、それぞれ講演した。太田氏は認知症を予防する生活習慣について、バランスの良い食事や適度な運動、禁煙などを挙げ「完全に防ぐ方法はないが、危険因子を除くことはできる」と強調。本人の自覚がないため家族や身近な人の気づきが重要とし、早期発見・早期対応を訴えた。福原氏は白内障や緑内障など、成人の視力低下の原因となる病気の症状や治療法を示した。外部から入る情報の80~90%が視覚によるものだと説明した上で、「自覚症状の有無にかかわらず、かかりつけ医で定期検査を受けてほしい」と呼び掛けた。講演後には、県看護協会の看護師が手指の洗い残しがチェックできる器具を使い、正しい手の洗い方を指導。聴講者が新型コロナウイルスなどの感染症予防のため、身近な対処法を学んだ。県民健康講座は山形新聞、山形放送、山形大医学部、県医師会、県看護協会が主催。2年目の今年は、今回に続き11月5日に酒田市の酒田勤労者福祉センター、12月10日に山形市民会館でそれぞれ開き、生活習慣の改善や前立腺がんの治療などについて解説する。新型コロナ感染防止対策として聴講者の座席の間隔を確保し、講師と司会の演台前にアクリル板を設置したほか、入場時の検温や手指消毒、定期的な換気を徹底した。>>山形新聞トップ >>県内ニュース >> 社会

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