【独自】妊産婦が心の不調訴え、コロナ禍で支援得られず…専門医ら6割超が相談経験


妊産婦の心の診療にあたる医療者の6割超が、コロナ禍に関連した不調の相談を受けたとする緊急調査の結果を、日本周産期メンタルヘルス学会がまとめた。立ち会い出産の禁止や母親学級の中止などで、普段なら家族や周囲から得られるはずの支援が受けられなかったことなどが影響しているとみられる。同学会は、産後うつの予防や診療などに携わる産婦人科医や精神科医、助産師らで組織する。今回の調査は7月に実施、会員ら212人が回答した。調査結果によると、3~6月の間、妊産婦から心の不調の相談を受けたのは159人。このうち、132人がコロナ禍に関する相談があったと答えた。具体的な内容を159人に複数回答で尋ねたところ「本来の支援を受けられない」(103人)、「不安で落ち着かない」(101人)、「コロナの感染が怖くて外出や受診ができない」(89人)などだった。「出産する自信がなくなった」「死にたくなった」といった深刻な悩みもあった。調査をまとめた佐藤昌司・大分県立病院総合周産期母子医療センター所長は「コロナ禍で、妊産婦は相当なストレスを抱え、孤立感を深めている。オンラインによる相談体制の整備など、妊産婦が離れていても支援を受けていると実感できる仕組み作りを急ぐ必要がある」と話している。

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