かかりつけ医が唾液を採取 態勢拡充目指し 導入へ調整


長野市保健所が新型コロナウイルスの検査について、かかりつけ医など一般の医療機関に検体として唾液を採取してもらう方法を新たに調整していることが30日分かった。県は検査を1日当たり最大千検体以上に拡充する方針で、市保健所分は188検体。現行の態勢で可能な80検体の2倍以上に当たるため、拡充を図る。県も今後、一般医療機関に唾液の採取について協力を依頼していく考えだ。
 同保健所などによると、PCR検査は、精度がより高いとされる鼻の奥の粘液採取が主流だったが、厚生労働省が6月、症状のある人は唾液を使った検査も有効と判断し、公的医療保険の適用対象にした。7月には、無症状の人の検査にも唾液が使えるとした。県によると、県内の29日までの新型コロナ検査数は6903件。このうち唾液による検査は数%という。
 市は6月、検体を採取する「PCR検査センター」を市内2カ所に県と共同で設置。鼻の粘液を採取し、民間検査機関で検査している。新たに調整中なのは、患者が保健所を通さずに一般の医療機関を受診した場合に、その場で医師が唾液を採取し、検査機関につなげる仕組みという。
 同保健所によると、鼻の粘液の採取では、せきやくしゃみなどで飛沫(ひまつ)を浴びる可能性があるが、唾液は感染を防ぐ観点からも負担が軽減される。医療機関に実施への協力を依頼し、意向を確認中という。検査機関と直接契約を結んでもらい、早期発見につなげる間口を広げたい考え。小林良清所長は「検査方法の広がりに応じて、態勢の拡充に努めたい」としている。

(7月31日)

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