良質な医療の実践が認定 山形大医学部付属病院、評価機構が審査


近年は病院や大学、企業などで客観的な組織評価が求められている。病院の評価は国際標準化機構(ISO)と第三者評価機関の同機構が一般的とされ、同病院は機構による評価で2003年1月に初めて認定を受けて以降、これまで3回更新している。

 特定機能病院は、最先端のがん治療や指定難病の診療が可能な大学病院、専門病院を対象に厚生労働相が承認する。機構の認定は病院の規模、機能ごとにカテゴリーがあり、今回新たに特定機能病院などを対象に審査基準を厳しくした「一般病院3」を設けた。新カテゴリーの認定病院は5月8日現在、県内唯一の山形大を含めて全国32施設となっている。

 前病院長の根本建二同大理事・副学長は認定の意義について「組織としてガバナンスが守られ、安全安心な医療を患者に提供している証し」と強調する。

 評価項目は細分化され、例えば▽チーム医療による診療・ケアの実践▽適切な薬剤管理や臨床検査、画像診断など▽病院管理者・幹部のリーダーシップ▽倫理・安全面に配慮しながらの新たな診療、治療方法の開発や導入―など多岐にわたる。項目ごとに不十分な場合は改善報告書を機構に提出。機構が要求する水準を満たした病院に認定証を交付している。

 同病院は独自の取り組みとして、医師や看護師らが必携するハンドブックを作成。医療安全に関する報告体制、災害時の迅速な対応をマニュアル化し、職員に徹底している。感染症対策は副病院長ポストで感染制御を担当する役職を新たに設け、強いリーダーシップの下で新型コロナウイルス感染症などに対し院内感染防止策に力を入れている。

 同病院では2018年12月、医師や看護師らが機構評価調査者から資料などの確認を含めて聞き取りを受けた。評価担当の鈴木民夫副病院長は「厳しい審査を受け改善に向けた準備を進める中で、特に若い職員の意識が変わった」と語る。

 機構の認定は数年に1度更新される。佐藤慎哉病院長は「外部評価は自分たちの取り組みを見直す契機になる。引き続き努力を重ねて、県民に対してより良い医療提供を目指していく」としている。
【特集】人事異動、モバイルで検索

関連記事

ページ上部へ戻る