PCR検査センター、6月中に茨城3カ所新設 新型コロナ対策、県と医師会が体制強化


新型コロナウイルスのPCR検査の検体採取などを行う「地域外来・検査センター」が、今月中に茨城県内で新たに3カ所設置される見通しとなった。県が運営主体となる各地の医師会と協議を急いでおり、既に設置済みの地域を含め計6カ所に増える。7月以降も順次設置が進む予定で、感染の「第2波」到来に備え、県内九つの保健医療圏全てで1カ所以上設置する考え。調整中の地域を含めると、最終的に県内で15カ所程度まで増える見込みだ。

県は、検査体制の強化に向け、県議会第2回定例会に追加提出した一般会計補正予算案に同センターの設置費用を盛り込んだ。

PCR検査を集中的に行う同センターは、県が郡市医師会に運営を委託。地域の診療所の医師らの判断によって、保健所を介さない検査が可能になる。原則、検査は民間検査機関で実施される。

感染が疑われる人が地域の診療所などで診察を断られる「たらい回し」を防ぐ狙いもあり、院内感染防止や専門外来への窓口となる保健所の負担軽減にもつながる。

県内では、先行して鹿島、真壁の両医師会が5月に検査センターを設置し、今月16日に古河市医師会も運用を始めた。県によると、ほかに今月中、新たに3カ所が開設予定。

現在、設置に向けて調整中なのは、つくば市▽土浦市▽那珂▽取手市▽稲敷▽牛久市▽結城市▽多賀▽日立-の9医師会。さらに、県中央・水戸市保健所管内の3医師会や猿島郡医師会、龍ケ崎市医師会が設置に向けて検討を進めている。

検査センターの運用形態は、プレハブを設置したりドライブスルー方式を採用したりする例があり、設置場所も医療機関や公共施設など地域によって異なる。県は保健所を通じて各地の医師会や市町村と連携し、地域の実情に応じて運用方法や採取場所などを調整している。

県内でPCR検査の検体を採取できる場所は現在、感染症指定医療機関などに置かれた「帰国者・接触者外来」と、県が契約を結ぶ医療機関があり、合計で約70カ所。医師会による検査センターの設置が進めばさらに受け皿が増える。

これまでに県内で実施されたPCR検査の総数は、県衛生研究所や民間検査機関分を含め1万人超に上る。県は感染の第2波に備え、1日当たりの実施可能件数を今秋までに現在の約300件から600件超へ増やす方針だ。

関連記事

ページ上部へ戻る