「ハチ刺され」注意 アナフィラキシーショック、焼津の男性死亡 初夏から活動活発に


小山町藤曲の国道246号沿いのトンネルのり面で草刈り作業をしていた焼津市の会社員男性(38)が24日、ハチに刺されアナフィラキシーショックとみられる症状で死亡した。刺されて1時間以内に意識不明になったとみられる。ハチは初夏から秋にかけて活発になるため、医療関係者は「過去に刺されて体に異変があった人は健診受診を」と呼び掛けている。
 御殿場市・小山町広域行政組合消防本部によると、同日午後1時57分ごろ、現場で一緒に作業していた同僚から「男性がハチに刺され呼吸困難、意識もうろう状態」と119番があった。ドクターヘリで県東部の病院に搬送したが、救急隊が現場に到着した時はすでに心肺停止状態だったという。
 25日までの御殿場署の調べによると、男性は左手の甲にハチに刺されたような跡があった。当時は布製の手袋をはめて作業していたとみられるが、刺された時に着用していたかや、ハチの種類は不明。
 県養蜂協会静岡支部(静岡市駿河区)は、男性が刺された場所が山間部だったことから、刺したハチの種類は毒性の強いキイロスズメバチかオオスズメバチと推察する。近年は山が荒れて郊外の住宅地にも生息するとされ、担当者は「屋外での作業やハイキングの際は肌を出さず、ハチにとって見やすい黒っぽい服は避けて」と促す。
 静岡厚生病院(同市葵区)では、ハチの毒に対するアレルギーの有無を調べる「蜂アレルギー健診」を実施している。血液検査で症状が出やすい体質と分かった場合、アナフィラキシーショックへの緊急対処法である自己注射薬(エピペン)を処方する。皮膚科の岩崎加代子診療部長は「過去にハチに刺されて体全体にじんましんが出たり、気分が悪くなったりした人は健診を受けて予防してほしい」と呼び掛ける。

 ■全国、過去10年176人死亡
 厚生労働省の人口動態統計によると、全国では毎年十数人から二十数人がスズメバチやアシナガバチに刺されて死亡している。2009~18年は全国で計176人が命を落とした。県内の死者は5人で、直近では16年に1人亡くなっている。

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