コロナ・通常診療両立苦悩 「第3波へ態勢整備必要」 札幌圏 救急体制手薄に 士別200キロ先まで搬送も


新型コロナウイルスを巡り、医療機関が感染者らの対応と通常診療の両立に苦悩している。札幌圏では重篤な救急患者の治療を担う「3次救急医療機関」の一部が新型ウイルスに専念したことなどが影響し、残りの病院で急患の受け入れが急増。地方都市では慢性的な医師不足も追い打ちをかけ、重症患者を長距離搬送せざるを得ない例もあった。専門家は「第3波に向け、医療態勢の包括的な交通整理が必要」と強調する。「このまま患者が増え続ければ新型ウイルスの対応も通常診療も行き詰まる」。手稲渓仁会病院救命救急センター長の奈良理(さとし)さん(55)は危機感をにじませる。■受け入れ倍増札幌圏の救急医療体制は、症状の軽い方から初期、2次、3次救急に分かれる。同院は札幌圏に5カ所ある3次救急医療機関の一つ。第2波のピークとなった4月中旬から、5カ所のうち市立札幌病院と北海道医療センターが新型ウイルスの対応に専念し、残る3カ所で3次救急を担う状況が続いた。

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