新出生前診断、学会が指針改定 厚労省で最終判断


妊婦の血液でダウン症など胎児の染色体異常を調べる「新出生前診断」の実施施設拡大に向け、日本産科婦人科学会(日産婦)は20日、凍結状態になっていた実施指針の一部を改定したと発表した。実際に運用するかどうかは厚生労働省の最終判断を待つとしている。小児科医と連携を強めることで、反対していた日本小児科学会と日本人類遺伝学会の合意を得た。指針が認められれば小規模な開業医でも受けられるようになる。改定指針では日産婦など4学会が作成した説明書を用いて妊婦へ説明する。小規模施設は小児科学会の認定制度で認められた小児科医との連携が必要。相談窓口を小児科学会が用意する。新出生前診断は検査を受けた結果、妊娠中絶につながるケースもあり、命の選別になりかねないとの指摘もある。2013年以降、カウンセリング体制などが整った認定施設のみで実施が認められてきたが無認定の民間クリニックが増加。不十分なカウンセリングで妊婦が戸惑う事例がある。少しでも適切な形で検査を受けてもらおうと日産婦は19年、研修を受けた産婦人科医がいれば小規模な施設でも実施できるようにする新指針を公表した。小児科学会などは「生まれた子どもへの医療や支援の現状を説明する機会が失われてしまう」と反発。厚労省が実施の在り方に関する検討会を立ち上げ、議論を進めていた。〔共同〕

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