院内感染で明暗 危機管理、基本を徹底


新型コロナウイルスの感染拡大に、行政や医療機関は手探りの対応を迫られた。各地で院内感染が発生し、医療崩壊の不安が現実味を帯びる中、功を奏したのは検査の徹底や情報公開、感染防止策の徹底など「危機管理の基本」だった。国内初の院内集団感染を乗り越えた和歌山と、二つの拠点病院で明暗が分かれた兵庫の事例を振り返る。2月14日、和歌山県は、済生会有田病院(同県湯浅町)の外科医の男性がその前日に新型コロナ陽性と判明し、対応に追われていた。当時はまだ感染傾向に分からないことが多かった。仁坂吉伸知事が病院関係者全員のPCR検査(遺伝子検査)実施を求めたのに対し、県保健医療行政トップの野尻孝子技監は医師の立場から「濃厚接触者を囲い込めば全員検査の必要はないのではないか」と疑問を抱いた。それでも、看護師が病棟や外来を…

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