シスメックス、抗体検査キット発売 試薬4種開発


血液検査機器大手のシスメックスは11日、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査キットを7月に発売すると発表した。感染初期なのか回復後なのかなどを調べ、医師が患者の治療方針を決めるのを手助けする。まずは医療機関などに研究用として提供し、予防を目的とするワクチン開発にもつなげる。新型コロナに関わる抗体を検出できる試薬4種を開発した。がんや感染症の診断に使う自社の免疫測定装置「ヒスクル」を使い、1時間で最大200検体を調べられる。試薬の性能評価は国立がん研究センターや国立国際医療研究センターと5月から始め、臨床応用できる可能性が示唆された。今後データを集めて検証し、早期の承認を目指す。将来は入国管理の現場などでの活用も念頭に置いている。国内で抗体検査キットが薬事承認された例はまだない。検査キット発売に先駆け、6月12日から研究用の抗体検査の受託サービスを始める。医療機関から提供された試料を神戸市内にあるシスメックスの測定施設で調べる。

関連記事

ページ上部へ戻る