経済産業省は3月23日、全国的に業況の悪化している業種に対する「セーフティネット保障5号」の対象業種に社会福祉施設などを指定した。新型コロナウイルス感染症の影響を含め、業況の悪化が懸念されることから2020年度第1四半期(4月1日から6月30日まで)の緊急的な融資を受けられることになった。セーフティネット保証5号とは、業績が悪化している中小企業者を対象に資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で80%保証を行う仕組み。今回対象となる社会福祉施設のうち、介護関係は▽他に分類されない物品賃貸業▽看護業▽特別養護老人ホーム▽介護老人保健施設▽通所・短期入所介護事業▽訪問介護事業▽認知症老人グループホーム▽有料老人ホーム▽その他の老人福祉・介護事業が含まれている。このほか、「他に分類されない社会保険・社会福祉・介護事業」も対象。業種指定に伴い、3月23日から各信用保証協会で事前相談の受け付けが開始された。保証の対象となる指定業種の中小企業は、最近3ヵ月間の売上高などが前年同期比で5%以上減少(時限的な運用緩和もあり)していることが要件で、売上高などの減少については、市区町村長の認定が必要になる。保証内容は経営安定資金で、保証割合は80%保証。限度額は、一般保証とは別枠で2億8000万円となっている。厚生労働省老健局は3月24日付の「介護保険最新情報(792)」で都道府県に対し、セーフティネット保証5号の業種指定と市区町村を通じた事業者への周知を依頼した。業績悪化への支援策では、独立行政法人福祉医療機構(WAM)が福祉医療貸付事業を強化。日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」などがある。政府は、収入が急減した企業などの税金と社会保険料の支払いを1年間猶予する特例制度を検討している。