連載【追跡話題】新型コロナ、健食への影響に明暗


通販ルートは売上高が伸びた商材と減った商材の明暗がくっきりと分かれた。本紙が聞き取り調査を行ったところ、全体的に「免疫系」「ダイエット系」「生活習慣関連系」の購入傾向が高いことがわかった。ファンケルが先月発表した売上上昇率のデータによると、「プロポリス」は78.4%増で7 倍以上の数字に。同社によると、「在宅勤務による食べすぎや飲み過ぎを気にする人のサプリメント(カロリミット等)の売上も伸びた」としている。持病をもつ人の感染リスクが多くのメディアで報じられる中、基礎疾患予防を訴求する商材の動きが良かったとの声も。某大手製薬企業からは「血圧訴求(トクホ)が伸長した」との声が聞かれた。一方、「美容系」の消費は冷え込んだ。取材先からは、「美容関連のリピーター離脱が増えた」といった声も。「経済的問題による優先順位の変化が理由ではないか」と推測する声もあがった。食系ルートでは地方の百貨店が意外な健闘ぶりをみせている。都心では全面休業を行う百貨店が目立ったが、地方は地下食品フロアのみ営業する百貨店も。こうした地下フロアで健康食品を扱うテナント店舗では好調だったようだ。卸企業に聞き取りしたところ、「3 月から4 月にかけて、昨対比で伸長した」「当初の予算目標を達成した」といった声が聞かれた。現在売れている商材は、「マヌカハニー」「プロポリス」「高麗人参」「梅肉エキス」「乳酸菌」を挙げる企業が多く、免疫維持を期待した商材が目立った。コンビニのローソンでは「コロナの影響かは不明ですが」と前置きしながらも、「健康維持を目的としてか、『グミサプリ亜鉛&マカ』の伸長がみられた」とし、「おやつとして手軽に食べながらも、サプリメントと同等の栄養素がとれる商材に人気が集まった」という。薬系ルートは、運動不足解消を訴求する商材の好調さが目立った。ウエルシアHDでは、『アミノバイタル』(味の素)や『賢者の食卓』(大塚製薬)、『ザバスホエイプロテイン』(明治)などが伸長。マツキヨでは『ビタミンC』(ディーエイチシー)や『HMB PERFECT 85500』
(Hongo)などが売れている。このほか、「サプリメントでは、ビタミンCや、脂肪燃焼系などダイエット関連が伸びた」(スギHD)などの声がある。訪販ルートは、説明会の実施が困難で「新規会員に与える影響は少なくない」といったコメントが寄せられた。こうした中、ビデオ通話のZOOMを使った新しい取り組みを始めた企業も。フォーデイズは4月、全国各地の会員と交流するオンラインイベントを開始した。「無店舗チャネルの強みを活かし、お客様とは新しい方法で交流を深めている」という。新型コロナウイルスの感染拡大は、販路や商材ごとに大きな変化を及ぼした。首都圏などを除き緊急事態宣言解除の動きが出ているが、第二波の懸念もあり、引き続き消費動向については慎重に推移を見守る必要がありそうだ。本記事の続きは「健康産業新聞1692号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

関連記事

ページ上部へ戻る