科学未来館、新館長にIBMフェローの浅川氏


科学技術振興機構(JST)は13日、日本科学未来館(東京・江東)の新しい館長に、米IBMワトソン研究所の浅川智恵子フェローが2021年4月1日付で就任すると発表した。01年の開館から務めてきた宇宙飛行士の毛利衛館長は退任する。水泳中の事故がきっかけで中学生時代に視力を失った浅川氏は1985年に日本IBMに入社。障害者向けの機器やソフトウエアの研究開発に携わり、世界初の実用的な視覚障害者向けインターネット専用音声読み上げソフトを開発した。09年に技術職の最高職位である「IBMフェロー」に選ばれ、19年には日本人女性として初めて全米発明家殿堂入りした。浅川氏は館長就任にあたり、「未来館が、インクルーシブ(包摂的)な未来社会をいち早く体験し、社会に実装する道筋を皆さまと共に構想する場となれるよう、全力で取り組んでいきたい」とのコメントを発表した。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標年である30年に向け、女性や障害者などが来館しやすい環境づくりにも取り組みたいという。未来館は01年、最新の科学技術を体験できる展示施設として東京・お台場に開館した。毛利氏には名誉館長の称号が贈られる予定。

関連記事

ページ上部へ戻る