大阪大などの研究チームは22日、手首などの末梢(まっしょう)神経に巻き付けて神経再生を促す極薄シートを開発し、臨床試験(治験)を始めると発表した。手指がしびれる病気の患者らで有効性などを確認し、2025年の実用化を目指す。
手首の神経が圧迫されて起きる「手根管症候群」は高齢女性に多く、国内で年間約3万件の手術が行われている。術後の回復に時間がかかるなどの課題があった。
シートは厚さが紙幣の半分程度の約50マイクロメートルで、圧迫により損傷した神経に巻き付ける。術後の炎症を防ぐとともに薬剤を長期間にわたり放出し、神経再生を促す。体内では約1年半で分解され、安全性も高いという。
物質・材料研究機構(茨城県つくば市)が開発し、大量生産にめどを付けた。肘や足首など末梢神経障害の治療でも活用を見込んでいる。 (C)時事通信社