バセドウ病を10分で検査 富士フイルム系などが試薬


富士フイルム和光純薬と三洋化成工業は21日、甲状腺疾患のバセドウ病や橋本病を約10分で検査できる試薬を発売したと発表した。富士フイルム和光純薬の自動免疫分析装置「アキュラシード」に使う専用の試薬で、磁性粒子を採用することで迅速に測定できるという。試薬は三洋化成が製造し、富士フイルム和光純薬が販売する。装置に血液と試薬をセットすると、自動で甲状腺自己抗体を検査する。甲状腺の病気を迅速に診断でき、治療の早期開始につながる。装置はすでに病院や検査センターなどで、糖尿病や高血圧などの検査に使われている。今回の試薬追加により、同装置で計30項目の検査が可能となった。甲状腺は血中に甲状腺ホルモンを放出することで体内の各器官の働きを調整する。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、動悸(どうき)や息切れ、多汗、微熱などの症状が起こるバセドウ病の原因となる。甲状腺ホルモンの分泌が不足すると、眠気や物忘れ、むくみ、息切れなどの症状がみられる橋本病の原因となる。甲状腺疾患は放置すると命に関わる場合もあり、治療の早期開始が重要とされる。

関連記事

ページ上部へ戻る