国循など、心臓模型で手術支援 小児の難病で治験開始


国立循環器病研究センターとスタートアップ企業のクロスエフェクト(京都市)は7日、3D(3次元)プリンターで作った実物大の心臓模型を、小児の難しい心臓手術に活用する臨床試験(治験)を始めたと発表した。小さくて構造が複雑な心臓を忠実に再現できるため、手術の予行演習に役立つ。有効性を確かめて国に医療機器として申請し、保険適用を目指す。同センターや東京大学病院、京都府立医科大学病院など計5施設で、2020年12月までに20例を目標として治験を進める。小児の先天性心疾患は、心臓が小さく構造も複雑なため手術が難しい。成功率を上げるためには、事前に心臓の3次元構造を正確に理解することが重要だ。研究グループは3Dプリンターを使って、軟らかい材料で実物大の心臓模型を作る技術を開発してきた。コンピューター断層撮影装置(CT)の画像から患者の心臓を細部まで忠実に再現した模型を作れる。執刀医などが手術前に、この模型を使って予行演習すれば、手術の成功率が高まると期待している。

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