機能性表示食品、初の「免疫機能」受理


■免疫調整に重要、「pDC」を活性化受理されたのは、キリンビバレッジの清涼飲料水『キリン iMUSE 水』など3 品と、キリンホールディングスのサプリメント『キリン iMUSE professional プラズマ乳酸菌サプリメント』など2 品、計5 品。機能性関与成分はいずれも「プラズマ乳酸菌(L.lactis strain Plasma)」で、受理された機能性表示は「プラズマ乳酸菌はpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています」。臨床試験結果をもとに研究レビューを行った。日本抗加齢協会の確認を経て届出されている。キリングループ独自のプラズマ乳酸菌は、「酸乳から分離されたチーズやヨーグルトの発酵に使われる乳酸菌の一種」。キリンHDでは、機能性表示食品制度がスタートした2015年から機能性表示取得に向けた活動を行っていたという。プラズマ乳酸菌は、免疫調節に重要とされるpDCを活性化。「pDCが適切に機能することは健常人の正常な免疫機能を維持する上で重要であると考えられる」という。キリンHDでは、総合的な判断により、機能性について示唆的な根拠があると判断したとしている。消費者庁に届出された発売予定日はキリンビバレッジの3 品が11月24日、キリンHDの2 品が11月1 日。キリンHDでは詳細は後日改めて発表する予定としている。■新表示が続々受理「排尿」「歯垢」など機能性表示食品の累計数は8 月7 日現在で2,857品(取り下げ除く)。このうち約半数は従来の特保には見られなかった表示で、「階段の上り下り」「抗酸化」「糖化」「肝機能酵素」「紫外線」「ミドルエイジ」などの文言を含む新しい表示も続々生まれている。今年度に入っても、「排尿」「歯垢」といった文言を含む商品が受理されており(右上表)、表示の幅は企業努力によって一層拡大している。海外では「免疫」表示は一般的で、米国では「IMMUNESUPPORT」などと表示した商品が多数流通する。韓国や中国などでも免疫に関する表示を行った商品が上市されている。一方日本では、これまで健康食品に「免疫」と表示することはできなかった。7 月1日に新設された消費者庁のヘルスケア表示指導室は同31日、「コロナウイルス」「免疫力」などのキーワードに基づくインターネット監視で、「免疫力向上・強化」などと表示していた商品に表示の改善を要請している。機能性表示食品は、届出表示の範囲で表示を広告に使用できる。免疫機能表示第1 弾の受理は健康産業界に大きなインパクトをもたらしており、これに続く企業が次々と出てくれば、食品で免疫機能を維持するという新市場が一気に拡大することが期待される。定期購読のお申し込みはこちらから(当サイトからの紙面PDFの閲覧も可能になりました!)

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