厚生労働省の専門部会は27日、製薬大手の第一三共が承認申請していた経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」の製造販売を承認することを了承した。鼻の粘膜に噴霧する経鼻ワクチンは承認されれば、国内で初めてになる。海外では米国や欧州など30以上の国と地域で承認されている。国内の臨床試験では、約3割の発症予防効果が確認された。厚労省によると、2歳以上19歳未満が対象。左右の鼻腔(びくう)に0・1ミリリットルずつ(計0・2ミリリットル)を噴霧する。経鼻ワクチンは、弱毒化したウイルスを使った生ワクチンと呼ばれるタイプだ。海外での治験結果では鼻水や鼻づまり、頭痛や喉の痛みなどの副反応が報告されている。また、米国では、2歳未満は投与で異常な呼吸音「喘鳴(ぜんめい)」が確認されたため接種対象外となっている。一方、現在国内で使われているインフルエンザワクチンは、ウイルスの病原性がない不活化ワクチンを皮下注射するタイプで、生後6カ月以上で接種できる。現在、インフルエンザワクチンは、予防接種法で定期接種に位置づけられ、65歳以上の高齢者らが対象になっている。【村田拓也、金秀蓮】