腹腔鏡手術死問題の教訓継承を 群馬大病院敷地内に「誓いの碑」


手術死問題の教訓を忘れず継承していくための「誓いの碑」が、前橋市の群馬大医学部附属病院内に設置され、18日に除幕式が開かれた。遺族や病院職員ら約150人が出席。医療安全を高める努力を病院全体で続けていくことを誓った。◎問題発覚から6年 「事故風化させない」刻む 腹腔(ふくくう)鏡や開腹の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題が明らかになって今年で6年になる。風化を懸念した遺族会が昨年3月、碑の設置を要望していた。 碑は医療事故を決して風化させないと刻まれ、「再び生じることのないように大学病院としての責任を自覚し医療の質・安全の向上のために最善を尽くす」と誓っている。病院中心部の広場に設置した碑は高さ約1.2メートル、幅約2メートル。病棟と講堂にも同文のプレートを掲げた。 遺族や代理人の弁護士、病院職員が見守る中、田村遵一病院長は「医療安全の取り組みは一定の成果を出しているが、一番大事なのは(事故を)胸に刻み、継承していくこと。碑を前に誓いを新たにし続けることで、記憶が薄れることはないと信じている」と述べた。 田村病院長と、ともに遺族会代表で、父親を亡くした木村豊さん(51)=前橋市、妹を亡くした小野里和孝さん(40)=同=らが除幕した。木村さんは「医療安全がより良くなるよう願っている」と述べ、小野里さんは「二度とこのような事故がないことを願う。患者や遺族から感謝される医療を目指して尽力いただきたい」と声を震わせた。 出席者は黙とう後、次々に献花して手を合わせた。

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